遊園地、進化

みなさん、こんにちは。
ツネイシLR株式会社の清水 群(しみず ぐん)です。

ツネイシLR株式会社は、広島県福山市の遊園地「みろくの里」を運営しています。私は2024年1月に当社の代表取締役副社長に就任しました。今後、新しい取り組みやイベントのご紹介はもちろん、ビジネスの視点も交えながら情報発信してまいります。

みろくの里について

まずはみろくの里についてご紹介します。

みろくの里は1989年にオープンしました。2024年3月現在、広島県唯一の遊園地です。24種類のアトラクション、昭和三十年代の街並みを再現した「いつか来た道」、実物大の恐竜42体が待ち構える「ダイナソーパーク」、夏にはオレンジ色に包まれた常識を越えるプール「the Orange」、冬には中国地方最大級のイルミネーションが楽しめる遊園地です。2023年のイルミネーションは若者を中心に人気のポップスロックバンド「マカロニえんぴつ」とコラボを行い、多くのお客様にお越しいただきました。

自己紹介

そして私の自己紹介ですが、私は株式会社オリエンタルランドや合同会社ユー・エス・ジェイといった国内の二大テーマパークを運営する会社で、接客やメンテナンス、設計、パーク内各部門の業務改善などを務めてきました。その後はテーマパークコンサルタントとして、10か所以上の遊園地やテーマパークの運営改善に携わりました。この業界で働くようになって今年で19年目です。

大手のテーマパーク勤務のある私がみろくの里の経営に携わることになり、みろくの里がそれらテーマパークのようになるとお考えになるでしょうか?残念ながら同じようにはいきません。大手のやり方が絶対的な正解であるとは思いませんし、各地域の特性もあります。

しかし、サービスやホスピタリティの考え方について目指すところはあります。お客様に楽しんでいただくために、どのように考えればいいのか、どのように行動すればいいのか、根柢の部分は同じです。それにサービスを提供、ホスピタリティを発揮するのが人という点も同じです。

では、ビジネスの規模、商圏の規模はどうでしょうか。さすがに東京や大阪のような大都市圏にはかないません。地方遊園地の一年間の売上を、大きなテーマパークは一日で計上することもあるくらいですから。仮に大手テーマパークと同じ規模の遊園地・テーマパークを建設できるような資金があったとしても、運営を継続できません。商圏が大都市圏ほどではないため、施設を維持・発展させていくための売上を確保できないからです。商圏の規模を見誤って閉園した遊園地・テーマパークもたくさんあります。そうならないためにも、みろくの里はみろくの里に適した規模で進化し続けていきます。もちろん大手テーマパークで培ったサービスやホスピタリティの考えを加えながらです。

2024年 新コンテンツ「ダイナソーパークブレイクアウト」

まだ就任直後ですので、サービス面で目に見えて変化が感じられるのは少し先ですが、ひとつ目のみろくの里の「進化」として、かねてより準備を進めてきた新しいコンテンツが3月9日にオープンしました。それが「ダイナソーパークブレイクアウト」です。

すでにみろくの里が保有するダイナソーパークという施設を、二人乗りのバギーに乗りながら楽しんでいただけます。ダイナソーパークは前述のとおり、みろくの里の人気コンテンツのひとつです。最初に見たときは、遊園地で実物大の恐竜がこんなにも数多く、しかも至近距離で見られるのかと驚きました。そして、バギーもみろくの里が保有するコンテンツのひとつです。ビッグビーバギーという名前で2022年から稼働しています。このビッグビーバギーも人気ですが、一人乗りのバギーで、お子様の乗れるバギーは10歳以上、身長130cm以上、79kg以下という乗車制限があります。一方で遊園地に遊びにいらっしゃるファミリーを考えると、もう少し低年齢のお子様でも楽しんでいただけるようにしたい、大自然の中でオフロードの爽快感を味わってほしい。その思いからダイナソーパークブレイクアウトが導入されました。ダイナソーパークブレイクアウトのバギーは、運転免許証を持っている方のみが運転できますので、親子で体験いただくことを想定しています。運転者となる方はオフロードでバギーを運転する爽快感を、そして助手席のお子様は景色を見ることに集中できますので、ダイナソーパークの魅力とバギーで走行する魅力の両方をより感じていただけるのではないでしょうか。もちろん親子だけというわけではなく、お友達同士、カップルでも楽しんでいただけますので、ぜひ体験してみてください。

このように、遊園地にとってすでにあるコンテンツ、資産を有効活用することは大切です。働いていると見慣れたものでも、お客様や私のように外部から来た人間にとっては魅力的に感じる施設は多いです。また、訴求の方法を変えれば魅力が向上する施設もたくさんあります。もちろん0から作り上げるものもありますが、まずは1を1以上の価値として提供できるように進化させていきます。

そして新しいコンテンツを導入すること以上に注力し始めたことがあります。それは遊園地で遊んでいただくにあたっての環境整備です。その第一弾として、授乳室改善に着手しました。
授乳室は園内の一か所について改善しました。授乳室を安心して使っていただく、これは当たり前のことです。しかしこれまで遊園地内にあった授乳室は、まだまだ安心できる水準ではありませんでした。そこで以下のような改善を行いました。

担当者のコメント

トイレ・授乳室を個別の機能としてではなく、みろくの里をつくるコンテンツのひとつとして考え、赤ちゃん連れのお客様がそこを使う時間も含め1日楽しく快適に過ごせるようにという視点で全面的に見直しました。遊園地という非日常感を損なうことなくご利用いただける、“赤ちゃんとご家族がゆったり過ごせる空間”がコンセプトです。男性もご利用いただけるおむつ替えスペース、プライバシーに配慮した女性専用の授乳ブースはその点で大きな改善ポイントです。(ツネイシLR(株)みろくの里事業本部 企画広報 平岡直美)

授乳室は一か所だけではないですし、トイレも徐々に改修していくことを計画しています。トイレ、乳児をお連れの方にとっての授乳室は、遊園地で遊ぶときに必ず一回は使われるであろう施設ですが、それらを利用している時間は短いかもしれません。しかし、その短い時間でも快適に過ごしていただく。その考えを大事にできるかどうかがまず大切です。遊園地全体のトイレを一度に改修とはいきませんが、徐々に整備してまいります。

みろくの里は冬期のメンテナンス期間として、1月や2月は土日祝のみの営業でしたが、3月9日(土)以降は通常営業となります。サービスを進化させる取り組みも始まったばかりですが、昨年遊びに行ったよという方も変わった部分を感じていただけるはずです。徐々に暖かい日も増えますので、思い出作りにぜひみろくの里にお越しいただければ幸いです。

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